岡谷市の民話と伝説 火とぼし山

諏訪湖の東に住む娘と西に住む若者が、

深く愛し合うようになった。

一日の仕事が済んだ夜、

若者がたいまつに火をとぼして裏山にあげると、

娘が明かりを目指して湖を泳いでやってきて、

二人は楽しく語った。

ある夜、若者はいつもとちがったところに火をとぼした。

娘は方向を誤って、湖の深みにはまって溺れ死んだしまった。

若者も得体の知れない病気にかかって死んだ。

若者が火とぼした山は岡谷市湊小坂に位置し、

今でも「火とぼし山」と呼ぶ。

 

 

信州の民話と伝説集成より

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