横旗の信玄塚 根羽村

根羽村の新道端に横旗という地籍があって、

新道の上に武田信玄を祀った信玄塚がある。

元亀四年(一五七三)二月、

信玄は徳川方の野田城を陥れたが病気になり、

甲斐に帰る途中、同年四年四月十二日、

駒場で亡くなったといわれている。

しかし、口碑の伝えによるところ、

信玄は野田の城外で敵の弾に当たってしまったので、

甲斐の家来たちは相談の上、

信玄が亡くなったことを秘密にし、

夜に紛れて旗を横に伏せて退却した。

それで、この辺の地名を「横旗」と呼び、

信玄塚は信玄の遺骸を葬った所だという。

(信州の民話伝説集成 南信編より)

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