中川村の民話と伝説 石神の松

元和(一六一五~一六二四)の頃、

中川村の常泉寺に一人の行者(山伏)が寄寓していたが、

その法力がたいへん優れていた。

その頃しきりに天竜川が氾濫して、

これに悩んだ農民は、この行者に頼って水難除けの祈祷をしてもらった。

 

行者は近くの水神様に熱心にお経を唱え、

二十一日間祈祷を続けたが

満願の日に精魂尽きてついに倒れた。

山伏に死に先立ったこの水神に手植えの松を手向けたが、

これが今の石神の松と伝えられている。

 

(信州の民話伝説集成南信編より抜粋)

 

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です